今話題の
「クリエイターは無報酬で協力を……クールジャパンめぐる秋元康氏の発言に賛否両論」について考えを少し。
今回の事で、色々問題に感じる事がありますが、
その中で『相場』の問題について書いてみます。
例えばですが、著名な方に100万円で依頼された仕事が有るとします。
同じような内容の物を、
一般に無名ですが、業界の中では非常に評判の良い方に発注が有ったとして、
その方が50万円の見積もりを出した場合、
クライアントが相場を知らなかったとしても
先の著名な方が100万円で請け負った仕事の事を知れば
半額であれば良心的だと判断してくれる可能性が高いでしょう。
しかし、
著名な方が無報酬で仕事を請けたとします。
その仕事が特別な理由が有って請け負ったとしても
相場を知らないクライアントが
参考に出来るのが
先の無報酬の話だけであったとすると、
特別な理由が有るとは言え、著名な方が
『タダでも出来る程度の内容』の物なら2~3万円で。
5万円も予算として見ておけば余裕だろうと考えてもおかしくありません。
そんなに開きが有るような事は起こらないのでは。
と思う方も居るかもしれませんが、
十分有り得ます。
絵の事が分からない人と仕事をすると
その中には、
『
絵って、描くだけで楽でいいよね』
という態度を取る方もいるので
絵を描く事の大変さ、
また、
アニメーションの業界の場合、作業が細分化されていて
一枚の絵を作るにも大勢の手がかかっている事を
理解出来ない、
というか理解しようとしない方が居てもおかしくありません。
絵なんて描くだけで楽だと思っている人の頭の中に
著名な方の無報酬の話がこびりついたら
まともにお金を出そうと思わないでしょう。
そうとう昔の事なので細かい事は全て忘れてしまいましたが、
それでも、会社にポスターか何かの版権物のみの単発の依頼で
普段そいう物を発注した事の無いクライアントだった為、
発注額が有り得ないぐらい低く、
世間一般では、その程度の物と思われているのかと衝撃的だったのが
心にこびりついています。
当然、会社は断りましたが。
特に今回の場合、クールジャパンのもと、
日本の文化をどうビジネスとして成功させるか、
という事が命題である訳で、
当然クリエイターも十分な利益を得られる事が重要なので、
そのようになるように考える立場の方々が、
相場を安く見られるような事をするのは
真逆の事をしていて、存在意義が分かりません。
それから当然ですが、
クリエイター自身も価値、相場が高くなるようにしないといけないという事を
常に考える必要が有るとも思います。
テーマ : 日記とアニメ・マンガ関連ごちゃまぜ
ジャンル : アニメ・コミック